2019年11月13日水曜日

第44回NMS金曜会(11/29)のお知らせ

11月29日(金曜日)に第44回NMS金曜会を開催いたします。

今回は、
埼玉医科大学 医学部 生化学 講師    
中野 貴成先生に
小腸を介したコレステロール逆輸送系の動脈硬化の進展抑制への期待
についてご講演いただきます。

日時:11月29日(金)18:30開始
場所:大学院棟B2F演習室3


小腸は単に受動的な脂質吸収を行う臓器ではなく、肝臓とともにコレステロール(Chol)を排出する臓器でもあります(Trans-Intestinal Cholesterol Efflux, TICE)
 Niemann-Pick C1-like 1 (NPC1L1)は小腸Chol吸収の責任タンパク質です。興味深いことに、NPC1L1阻害は腸管を介したコレステロール逆輸送(TICE)を促進することがその後明らかとなりました。2014年、NPC1L1の不活性型変異は顕著な血漿Chol低下がなくとも心疾患イベントが半減することがわかりました(NEJM 2014)。この知見は早期からのTICE促進が大きなイベント抑制につながる可能性を示しました。
 演者は腸管からのChol排出TICEの機序解明について報告し(1)、これまで報告された腸管におけるChol収支データとも矛盾しないことを示しました(2)。さらに食品成分である植物ステロールのChol吸収阻害も、植物ステロールによるTICE刺激に起因することを指摘しました(3)。植物ステロールは容易に摂取できる食品成分で、若年からの血管ケアの新たな手段になるかも知れません。 

 本発表ではあまり知られていない小腸の意外な働きと、その機序とともに将来への期待も含めて紹介したいと思います。

2019年10月2日水曜日

第43回NMS金曜会(10/25)のお知らせ

10月25日(金曜日)に第43回NMS金曜会を開催いたします。

今回は、
日本大学歯学部生理学
林 良憲先生に
好中球と神経の双方向性シグナルによる痛みの調節機構
についてご講演いただきます。

日時:10月25日(金)18:30開始
場所:大学院棟B2F演習室3


林先生は難治性疼痛におけるミクログリアや好中球の解析を中心に積極的に研究されております。神経細胞と各種免疫細胞の間でのクロストークの重要性は神経疾患に留まらず末梢臓器の炎症性疾患でも示されてきており、是非皆様にご参加頂き活発なご討論をお願いできたらと思います。


2019年6月14日金曜日

第42回NMS金曜会(7/5)のお知らせ

75(金曜日)に第42NMS金曜会を開催いたします。

今回は、
帝京科学大学 生命環境学部 アニマルサイエンス学科
近藤保彦教授に
『マウス脳における線維芽細胞成長因子5(FGF5)の行動調節機能』
についてご講演いただきます。

日時:75日(金)18:30開始
場所:大学院棟B2F演習室3

 線維芽細胞成長因子(fibroblast growth factor, FGF)は生体内で細胞分裂や増殖にかかわるタンパクで、現在ヒトで22種が知られています。今回、私たちの研究対象として紹介するFGF5は、FGF1(aFGF)と40%、FGF2(bFGF)と50%相同性を持ち、FGF1/2/5サブファミリーを構成します。これらの受容体であるFGFR1は神経細胞に、FGFR2はグリア細胞に発現していて行動の中枢制御や血液脳関門などへの関与が知られています。
FGF5は体表面毛包に発現していて毛髪サイクルに影響することが知られ、FGF5が欠損すると表現型として長毛が表れます。しかしFGF5の中枢における機能についてはほとんどわかっていません。そこで私たちはFGF5の前脳における発現解析とFGF5 null mutantマウスの行動解析を行いました。特に行動解析では、FGF5の欠損によって嗅覚にかかわる社会行動や性行動、そして不安葉行動などにも大きな影響があることがわかってきました。まだ、始まったばかりの研究ですが、現在までの研究成果をご報告するとともにぜひ皆さんのご意見を聞かせていただきたいと考えております。

奮ってご参加ください








2019年5月16日木曜日

第41回NMS金曜会(6/7)のお知らせ

NMS准講会、金曜会にご登録の皆様
67(金曜日)に第41NMS金曜会を開催いたします。

今回は、
徳島大学
ポストLEDフォトニクス研究所 医光融合研究部門 特任講師
髙成 広起 先生に
『光で生体を見る〜生理現象や病態の可視化を目指した研究〜』
についてご講演いただきます。

日時:67日(金)18:30開始
場所:大学院棟B2F演習室3

 生体観察手技バイオイメージングの分野は、高分解能顕微技術(STED, PALM, etc.)や蛍光標識技術の研究開発によって著しく進歩しました。しかし蛍光標識は標的分子が持つ従来の生理機能を修飾してしまう可能性があるため、非染色イメージングの需要が高まっています。また光の回折限界(200 nm)を超えた超解像イメージング技術も未だ限定的で、より簡便な超解像イメージング技術の開発にも期待が寄せられています。

私達の研究グループでは散乱光分析を応用した、生体の新しい分析・イメージング技術を開発しています。また徳島大学では今年度から新たにポストLEDフォトニクス研究所が開設され、新しい光源やイメージング・計測機器の開発を行うと共に、これら新規技術を医療や生命科学研究に応用する橋渡し研究を推進しております。本講演では、従来のイメージング技術を総括しつつ、どのような新しいイメージング技術が望まれているかを俯瞰し、私達の研究開発の一部をご紹介させて頂きます。

皆様奮ってご参加下さい