欧米人を対象とした観察研究では、脂肪摂取と2型糖尿病発症との関係には一定の見解は得られていない。しかし、アジア人を対象とした断面調査等ではその関係が示唆されており、脂肪摂取による糖代謝へのインパクトは各々の集団によって異なることが予想される。本講演では、脂肪摂取と2型糖尿病発症に関する臨床的知見を整理すると共に、演者らが選抜交配により作出した高脂肪食投与時の耐糖能が異なる新規モデルマウスの解析結果を紹介し、脂肪摂取量の増加という現代の食環境下での2型糖尿病発症を決定する要因について考察したい。
長尾先生は9月よりルンド大学糖尿病センター(スウェーデン、マルメ市)へのご留学が決定しており、国内では茶目っ気たっぷりの先生お会いする機会はしばらくありません。皆様ぜひご参加ください。