2018年6月22日金曜日

第37回NMS金曜会(7/6)のお知らせ


7月6日(金曜日)に第37回NMS金曜会を開催いたします。

今回は、
東京医科歯科大学 難治疾患研究所 
先端分子医学研究部門 分子細胞生物学 助教

小池 博之 先生
にご講演いただきます。

日時:7月6日 18:30開始
場所:大学院棟B2F演習室3

 近年、様々な機能細胞へ分化する能力を有する組織幹細胞やiPS細胞などの多能性幹細胞を分化誘導することで、創薬スクリーニングや再生医療に有益な細胞や組織を創出する方法が注目されています。
 演者らのグループも、器官の原基が胎内で形成される過程を模倣する細胞培養操作技術を開発し、試験管内においてヒトiPS細胞から立体的なミニ肝臓を自律的に誘導できることを示してきました。一般に多能性幹細胞の培養系では、サイトカインを始めとしたさまざまなタンパク質製剤などの試薬を添加することによる各種機能細胞への分化誘導が試みられています。しかし、これらの試薬が高額であるために、医療応用に要する莫大な数の細胞を得るためには多額の製造コストを要することが重大な課題となっていました。
 そこで演者らは、胎内でのミニ肝臓の形成時期において成長が活発な時期に特徴的な細胞の代謝特性に着目しました。すなわち、肝臓発生期における細胞の代謝がどのようになっているときに増殖が活発化しているのかを解明することで、そのメカニズムを培養細胞の増幅に活用することを試みました。今回の発表では、マウス胎仔の肝臓発生の解析結果から得られた知見を元に、目的とする細胞が増殖可能な培養環境を構築し、標的細胞を安価に効率的に得る方法の確立を目指した研究について紹介します。

皆様奮ってご参加ください