2018年10月18日木曜日

第38回NMS金曜会(11/16)のお知らせ

1116(金曜日)に第38NMS金曜会を開催いたします。

今回は、
筑波大学医学医療系
遺伝子制御学 准教授
西村 健 先生にご講演いただきます。

日時:1116日(金) 18:30開始
場所:大学院棟B2F演習室3

 体細胞を初期化して得られる、人工多能性幹細胞(iPS細胞)の再生医療へ実用化が大きく期待されている。しかし、多能性を十分に獲得していないiPS細胞は、分化誘導後も未分化な状態で残存し、移植後に腫瘍を形成するリスクを持つ。そのため、iPS細胞の再生医療への実用化を促進するためには、高い多能性を持つiPS細胞の誘導方法を確立することが重要である。
 それに対し我々は、独自の持続発現型ウイルスベクターを用いて、外来因子が残存せず、安全性の高いiPS細胞を効率良く誘導することに成功している。また、我々のベクターを用いて、初期化誘導遺伝子の一つであるKlf4タンパク質の発現量を調節しながらiPS細胞誘導を行うことにより、Klf4量依存的に多能性が異なるiPS細胞を誘導できることを明らかにしている。そして、このようにして誘導された、多能性が低い細胞と高い細胞を比較したところ、Tcl1は、iPS細胞誘導過程でKlf4量依存的に誘導されてきて、細胞の代謝機能を変換させることによって多能性誘導に寄与していることも明らかにした。このように、我々独自の多能性が異なるiPS細胞を用いた解析から、より高い多能性を持つiPS細胞を効率良く誘導する為に必要な分子機構が明らかになった。
 本セミナーでは、上記のような、我々のテクノロジーを用いて再生医療の実用化を促進させる研究や、iPS細胞誘導における多能性誘導機構に関する研究を紹介する。


皆様奮ってご参加下さい