2019年2月12日火曜日

第40回NMS金曜会(2/22)のお知らせ


NMS准講会、金曜会にご登録の皆様
222(金曜日)に第40NMS金曜会を開催いたします。

今回は、
東京大学大学院農学生命科学研究科 獣医生理学研究室 助教
松脇 貴志先生にご講演いただきます。

日時:222日(金) 18:30開始
場所:大学院棟B2F演習室3

 我々の研究グループでは、脳内の成長因子やプロスタグランジン、サイトカインなどの 液性因子による生殖機能や運動制御、神経変性、神経新生、発熱などの制御機構について、特に 神経内分泌系のストレス応答に着目して研究を進めています。今回の発表ではその中でも、感染 ストレスへの応答として最も初期かつ鋭敏に起こる体温変化の発生 機構について、我々の近年の研究成果をご紹介します。末梢組織の 感染情報はインターロイキン1などの炎症性サイトカインにより中 枢神経系に伝達され、体温変化だけでなく食欲抑制や痛覚過敏、 ストレス系ホルモンの分泌亢進など中枢制御性のストレス反応を引 き起こします。末梢血と中枢間質液の間には血液脳関門が存在して 中枢組織を末梢から隔絶していますが、感染ストレス時にはこの血 液脳関門で産生されたプロスタグランジンが中枢性疾患の病態形 成に関与することが、近年明らかになってきました。

本発表では、インターロイキン1受容体の細胞種特異的欠損/発現キメラマウスや熱源 因子プロスタグランジンE2の合成酵素mPGES-1の欠損マウスなどを用いて行なった感染ストレ ス時の発熱機構の検討についてお話します。さらに、mPGES-1欠損マウスで見られた特徴的な 感染ストレス性低体温症状とその制御機構解析について最新の実験結果を紹介した後、この低体 温と発熱という2つの相反する現象のバランスがいかにして保たれているのかについて、考察してみたいと考えています。

皆様奮ってご参加下さい